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第2回 訳語変更と辞書の登録-- おかしな訳語を修正するには --今回から、おかしな訳が出たときにどのようにすれば簡単に修正できるか順を追って説明します。基本操作今回は、第一回目で出題した練習問題の英文を使って説明します。出力文で、一番先に目に付くのは不適切な訳語です。どうも変だなと思ったら、その訳語をダブル・クリックしてみてください。英単語(句)とそれに対応する訳語が反転表示されます。さらに続けてもう一度クリックすると訳語の一覧が表示されます。[図1] [図1]変更したい訳語を選択してダブル・クリックするだけで訳語が置き換わります。[図2] [図2]「訳語を学習する(「学習辞書」を使う)設定になっていれば、変更した訳語が学習され次からは最優先となります。インストールしたままの状態ならば、学習する設定になっています。 訳語の一覧に適切な訳語がない場合は、ユーザ辞書に登録します。 それでは、ユーザ辞書に登録してみましょう。 ちょっとややこしそうに見えますが、順を追ってやって行けばそう難しくありません。 ●先ず、辞書の入れ物を作ります。 -「設定」ボタンをクリックすると、設定画面が開きます。 -「辞書」と書かれたタブをクリックすると「辞書設定」画面が表示されます。基本辞書だけが設定されているはずです。[図3] [図3]「開く」をクリックすると、「辞書を開く」画面が表示されます。 「ファイル名」に<ユーザ辞書>と入力して「開く」ボタンをクリックします。[図4] [図4]「新規にユーザ辞書を作成しますか?」というメッセージが出ますので「はい」ボタンをクリックします。 設定が完了しました。「設定」ボタンをクリックして設定画面を閉じてください。 さあ、これでユーザ辞書の入れ物ができました。まだ中身は空っぽです。どんどん登録しましょう。 ●ユーザ辞書の登録方法 「辞書登録」画面を表示する方法はいくつかあります。 @「登録」ボタンをクリックするそれでは、実際に登録しましょう。@の「登録」ボタンをクリックする方法でやってみます。 例文のEast China Seaを選択して反転表示させます。マウスの左ボタンを押しながらドラッグです。できたら「登録」ボタンをクリックします。[図5] [図5]-「辞書登録」画面が開きます。選択した見出し語がすでに入力されています。 - 訳語を「東シナ海」と入力します。品詞は「名詞」でOKですね。ただし、固有名詞なので複数形の欄のEast China Seasは削除してください。ここで「登録」ボタンをクリックします。[図6] [図6]これだけで登録完了です。 文番号をクリックして再翻訳すると、登録した訳語に変わるはずです。
動詞の登録[図7]は、辞書登録画面の「品詞」で動詞を選んだところです。名詞にはなかった活用形の入力欄が表示されています。「過去形」「過去分詞」「進行形」「三単現」といった言葉を見ると学校英文法を思い出します。 [図7]試しに、見出し語にcomplyと入力してみてください。活用形を推測してそれぞれの欄に自動的に入力されました[図8]。不規則動詞もある程度対応していますが、もし間違っていたら修正してください。 [図8あとは適当に訳語を入れて登録してください。 形容詞の登録[図9]は、辞書登録画面の「品詞」で形容詞を選んだところです。「比較級」と「最上級」の入力欄があります。[図9]自動的に「比較級」「最上級」が入力されるはずですが、試しにintriguingと入力してみましょう。 見出し語と同じ単語が入力されました[図10]。intriguinger、intriguingestとはなりません。 [図10] 副詞の登録[図11]は、辞書登録画面の「品詞」で副詞を選んだところです。形容詞と同じく「比較級」と「最上級」の入力欄があります。登録の方法は形容詞と同じです。 [図11] こんな方法もあります(裏技?)翻訳ソフトを使っていると、学校英文法の用語が出てきますが、それほど厳密に考える必要はありません。 (注意)辞書登録画面で、見出し語に登録できるのは半角60文字まで、訳語に登録できるのは全角30文字までです。
(原文) Barry had been up all night and was showing signs of fatigue now. (出力) バリーは、一晩中起きていて、現在疲労の徴候を示していました。 ★「疲労の徴候」というのがひっかかります。 そこで[図12]のように、sign of fatigueを見出し語にして名詞で登録します。 [図12]再翻訳すると「バリーは、一晩中起きていて、現在疲労の色を示していました。」となるはずです。 このようにフレーズを見出し語にすることができます。この場合、個々の単語の品詞は無視して、このフレーズ全体がどの品詞の役割を果たしているかによって品詞の登録を行います。 <例2> 半角60文字以内であれば、短い文章も登録してしまいます。 (原文) What a coincidence! (出力) なんと一致! ★おかしな訳です。 そこで[図13]のように「What a coincidence!」一文を見出し語として登録します。複数形は空欄にします。 [図13]再翻訳すると「偶然ですね!」と出力されます。 <例3> (原文) Carrying a heavy bucket of water, the woman walked with a stoop. (出力) 水の重いバケツを運んで、女性は前かがみとともに歩きました。 ★「前かがみとともに」がひっかかりますが、前置詞の訳はこのあたりが限度です。 あえてユーザ辞書に登録するなら[図14]のようにwalked with a stoopをフレーズ登録します。 変化形の欄では、もちろん動詞を変化させます。 [図14]再翻訳すると「水の重いバケツを運んで、女性は前かがみになって歩きました」という訳文になります。 <例4> (原文) Since his stroke, the old man had been unable to talk. (出力) 彼のストロークから、老人は話すことができなかった。 ★訳語変更をすればそれなりの訳文になりますが、ここでは副詞の登録の一例として取り上げます。 Since his strokeが、the old man had been unable to talkという文を修飾すると考えて副詞で登録します[図15]。 [図15]再翻訳すると「発作に見舞われて以来、老人は話すことができなかった。」となるはずです。 練習問題以下の例文をポケトラエコにコピー・アンド・ペーストして訳文を一次出力してください。
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